越後妻有トリエンナーレ2009所感

弾丸でしたが、行ってまいりました。
途中から雨降りになってしまったものの、ある程度秋晴れの良い天気と青い空の下で、
野山を駆け回ると言うこと自体、気持ちいいはずの行動であるわけで、
それに、ちょっとしたスパイスとしてのアートが入っていれば、もう楽しくないはずがない。
何より、すべて終わった後のこの疲労感が心地よいのがスバラシイ。
個人的に一番良かったのは、雨の中時間切れ寸前にダッシュで入った、
作品番号 : 23 アントニー・ゴームリー 【イギリス】 もうひとつの特異点(遠かった・・・)
で、もう、曇っているから窓からの採光も極端に少なくて、目が慣れるまでに相当の時間を要して、
ようやくなんとなくフォルムが見えてきたて、ふーんってなってたときに、シャッターを押したら、
凄まじいほどのワイヤーたちが現れて、一気に冷徹でシャープすぎる趣になった瞬間、
中央に寝っころがっていたら、思わず反射的に何かをよけそうになってしまった。
もうひとつの特異点
たぶんあそこまで暗くなかったら、シャッターきってもここまでリアルに
様相の違うことにはならなかったんだろうけど、明暗の生み出す、輪郭のあいまいさっていうか、
見えてるモノも見えてなかったりする作者の意図とか、作品と作品をセットした古民家との関係とか、
まあ、よくわかんないけど、実態と光と印象とでそれぞれ独立してるはずなのに、関係が生まれるから、
「その場」の作品が生まれるのだ。と思ったりした。
いくつか視点を変えて感じたこと。(をまとまらないけど書く。
人工物と自然。
やっぱね、衝突するなーと言うのが第一印象。
松代に多かったんですけど、どれも「埋め込む」か「切り取るか」しか無くて、
多分に欧米人が作ってんだろうと思ってたけど、日本人もいたりして、切なくなる。
協調というか融和というか、そういう観念が表面的過ぎてちょっとイヤ。
(いや、それに比べてみかんぐみとその他大勢の家と繭の家、かかしフェアみたいなヤツあたりはよかった。)
遊ぶなら、遊べばいいし、まじめにいくならまじめに行ってほしい。と客席からは思う。
廃校や古民家の中に作品を入れて、「場」を作ったもののほうが完成度が高い気がした。
ちなみにあの手の原風景には慣れているので(実家みたいだった)、
体験としてあの土地に行って、自然と言う部分に多くの感慨が沸かないのは差し引かなきゃいけないかもしれぬ。
でも、その対立こそがアートなんですよね、そうですね。
町おこし的な視点として。非常に良い取り組みと思いました。
もう少し、いろんなクオリティをあげればさらに経済効果が増すことは間違いないでしょう。
あまり多くを語らずに、オリエンテーリング風にとりあえず、見てみる風にしてあるところや、
2,3日では全てまわり切れない(週末だけでは難しい)絶妙なボリュームとエリアの分散、
コンテンポラリーやら学際的なものや、キッズに受けるものまで対象を広げたこともテクを感じます。
腹八分目。美味しいものは残した方が、もっと美味しいってことなんだと思います。
町民の取り組みもチラホラ拝見しましたが、全員マジでした。
ここまで参画している人を熱中させるProducerはとてもえらい。
腰の曲がったおばあちゃんが熱心にアーティスティックな話をしているのを聞くにつけ、
どっかバランスの取れない感じがしてしまいますが、語りに深みが増すから不思議。
あとは、しょうもないけど、
・ご飯がイマイチ。オフィシャルは混み過ぎです。効率性を重視する諸氏にはオススメできない。なんか名物作るべき。米とそば以外。
・パスポートを買わないという暴挙に出ましたが、結果安くついた。もう少し安めの設定をした方が儲かりますよ。
・安くついた理由1:おばちゃんが、最終日だからってことで負けてくれた!ありがとうございます。
・安くついた理由2:団体客に紛れ込んで、こっそり入った。(後で払いました。
・車前提なのに、駐車場が辺鄙なところにあるのがありました。まあ、それはいいや。
・温泉はグッドでした。名前忘れたけど、安くて雰囲気良くて、心地いい。
・探していた自分なりの接点は、、、正直見つかりませんでした。ごめんなさい。
ということで、以上、写真(+GPSロガー使った!)は別に。